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2018-06-15

榎忠展

木馬の姫やっこです。

ギャラリー島田がものすごいことになってました。
この展覧会のために床を補強。建物の壁も一階も地下も階段もすべて榎忠です。
搬入は、4トントラック3台、3日間。
2000年11月3日の神戸駅から木馬までのパフォーマンスの映像もありました。
これはひとつのギャラリーがするには大変な展示です。

展覧会の案内に、マスターも文章を寄せています。

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私の店が開業して40年になるが、榎忠という人物に出会ったのもこの頃、良き昭和の時代であった。いつもほの暗い店はジャズが流れ紫煙がたちこめ、黙りこくった人々が音楽に耳を傾ける。奥の片隅はアナーキー達のアジト状態で映画人、画家、役者等が集い、その中に榎忠がいた。
店のドアが開いて客が入ってくる「いらっしゃいませ」と店員が迎え入れる。そのうしろで「こんな汚ない店によう来たな!」と榎忠が言う。しばらくして次の客が来る、又も「よう来てくれたな、こんな汚ない店に」。普通、客は警戒する、ところが警戒するどころか好奇心を持つ。
70年代前半の『半刈りでハンガリーへ』とか『ローズ・チュウ』、あのような過激な行動を投げかけながらも人を巻き込んでしまう。いつか言ってたが「出会うことにより新しい刺激がきっかけを作り、一緒に巻き込んでゆくのも僕のやり方だ、まして店は人と人の繋がりを提供してくれる場所なんだ」と。しかし勝手に店を「汚いよばわり」されてもと思うのだが。
さて、私のこれまで接してきた榎忠とは、まず人に暖かい。この暖かさだろうか、若者たちがいつもエノチュウを取り囲む。表層的なものより彼の内にある独特な本質的要素を人は敏感に嗅ぎ分けるのだろう。そして年を重ねても人間的な艶は相変わらず色褪せない、とてもエロチックな人だ。

小西武志(木馬(Mokuba)店主)

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